2010年 12月 04日
昨日は洗濯機で家が丸ごと洗濯されているかのような激しい雨でした。 ザブンザブンと窓を打ちつける雨はまるで嵐みたいと、眠気も吹っ飛んだ私でした。 フランス革命という嵐が吹き荒れる、革命勃発直前に アントワネットを描いた小肖像画 (細密画) があります。 " Marie-Antoinette et ses enfants au pied d'un arbre " 作者 フランソワ・デュモン Musée du Louvre, département des Arts graphiques ルーブル美術館 版画・素描閲覧室蔵 小肖像画 (細密画) 縦19.5cm 横14.3cm 材質:象牙 肖像画来歴 : David-Weill 氏の遺品 1937年ルーブル美術館入り まさに嵐の前の静けさを表している作品です。 穏やかに微笑むアントワネット、愛しい子供たちと共に描かれています。 子供たちは長女マリー・テレーズ(マダム・ロワイヤル)と 次男の王太子ノルマンディー公ルイ・シャルル 私も大好きな作品のひとつです。 2008年パリ・グランパレで開かれたマリー・アントワネット展のカタログ グザヴィエ・サルモン氏の解説によると 現在ルーブル美術館に保管されているこの小肖像画は 1789年、第一王太子ルイ・ジョゼフが亡くなった直後に描かれたもので 長男の死により、つらい思いをしていたにも拘わらず 王妃は子供たちと共にモデルを努めます。 母に甘えて抱きつく王太子 手をつなぐ母娘 作品は家庭的な温かさを打ち出し、母性の美徳を表していて 一種のマニフェスト的な役目を果たしている、とあります。 また作者フランソワ・デュモンの会計報告書には、この作品により ≪1790年1月29日200ルイの報酬を得た≫ との記載が認められるとのこと。 長男のルイ・ジョゼフが亡くなったのは1789年6月、三部会の最中 服装からも初夏とうかがえ、ひたひたと迫り来る革命 (7月) 直前の 最期の幸せ (すでに幸せではなかったとは思いますがこの先不幸になる一途だったことを 考えると) なひと時を切り取った貴重な一枚だと思います。 それにしてもアントワネットの優しいまなざし、なんて穏やかな表情でしょう! なるほど確かに少し寂し気な感じはしますが 子供たちと一緒にいるアントワネットは本当に幸せそうです。 見ているこちらまでもが温かく優しい気持ちになります。 私はグランパレのアントワネット展に行ったとき 陳列ケースに入っていたこのわずか縦20cm 横15cm ほどの小さな細密画が 照明のせいもあるのでしょうが、光輝いていて アントワネットが本当に幸せそうで いつまでも見ていたくて、その場から離れ難かったほどでした。 彼女の肖像画の中でもここまで 後ろ髪をひかれた作品は初めてでした。 画像からはわかりづらいのですが 王女が木の幹に文字を彫っています。 ≪ Soyez à tous leur mère. ≫ すべての(フランス人の)母であれ 国母であることを強調し、イメージの一新を図りたかった一文は 今となっては本当に虚しい限りです。
by pinkfleur
| 2010-12-04 23:51
| アントワネット関連・人・事
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